2025年12月30日
「摂食障害」の表記について
日本摂食障害学会(現:日本摂食症学会)が、「摂食障害」を「摂食症」へと名称を変えると発表したことにより、摂食障害にかかわる団体では「摂食症」に呼び名を変えつつあります。
マゼンタリボン運動としては、これからも「摂食障害への理解をすすめる活動」とし、表記は「摂食障害」のままにしたいと思います。
その理由は「摂食症」でも「摂食障害」でも、当事者やご家族の症状や苦しみ自体は変わらないからです。
摂食「症」とすると、「障害」と表記するよりも、一般的な印象として「(障害より)軽いイメージ」「治るもの」という印象を受けることでしょう。当事者やご家族の方々も、そちらの方が受け入れやすいという方もいらっしゃることでしょう。
ですが、慢性化してしまっている人、長期にわたってこの症状で悩んでいる人にとっては、疾患名が変わったからといって、ある日突然、新薬が投与され、劇的に生きやすくなることはないと思います。
むしろ「摂食障害なんて言ってたのは昔の話でしょ」「もう新しい時代なんだから」と、“摂食障害時代”に当事者やご家族が感じていた閉塞感や生きづらさの感覚ごと、過去の遺物扱いされることも出てくるはずです。
マゼンタリボン運動の代表者は日本摂食症学会の会員ですが、学会は医療分野の専門家としての見方、マゼンタリボン運動は文化や社会からの見方、と視点が少し違います。
マゼンタリボン運動では、医学用語が変わったとしても普遍的にある、当事者やご家族の苦悩・苦痛に寄り添いたいとの思いがあり、これまで通り「摂食障害」と表記をすることにしました。
ここには、『誰も置き去りにしない』という意味を込めています。
摂食障害と呼ばれていた頃(それ以前)から長期に困っている人を見捨てない、ということと、摂食障害と呼ばれていた頃の問題点を置き去りにしないという意味を含めています。
とはいえ、あと5年もしないうちに、摂食障害/摂食症は、世間に受け入れられ、偏見や差別はなくなるでしょう。
また、社会の中のさまざまな機関では、当事者やご家族のそれぞれが抱える幅広いニーズに対応できるノウハウも広がってくることでしょう。
「摂食障害」という“現象”をテーマに、社会の皆がともに健やかに生きていくことを考え、わかちあえる社会になれば、マゼンタリボン運動の使命は果たし尽くせることになります。そのときはもうすぐです。
そのときまで、私たちは、「摂食障害」という表現で活動していきたいと思います。
『誰も置き去りにしない』という願いを込めて。
マゼンタリボン運動本部
